事業案内
BCPを策定しても、発災時に行動に移せなければ何の意味もありません。
そこで必要となるのがBCP訓練です。訓練を通じて職員に必要な知識や技能を修得してもらい、それを継続していくことで災害への意識を定着させることが大切となります。
また、BCP自体も発災時に機能するかを確認しなければなりません。そのために必要なのが訓練です。策定されたBCPをもとに訓練を実施し、BCPの検証や見直し行いましょう。
計画・訓練・見直しのサイクルを繰り返し、常に現場に沿ったBCPを策定することが、職員・患者・地域の命を守ることに繋がります。
災害対応を実践する上で何が問題になるのかと言うと、起こった事象に対して「いつやるか」「何を優先するか」「何を断念するか」「誰が決断するか」などの意思決定、想定と現実のギャップに対する行動指針がないことが挙げられます。そのような場合は、判断(客観的であり誰が行っても同じ)ではなく決断(主観的であり人によって異なる)が必要となります。
現場に混乱を起こさないようにするためには本部の機能が重要です。現場の能力を高めるには、本部の情報収集・整理、対策の立案・調整・実行、進行管理という災害対策本部指揮者の能力が必要不可欠になります。
BCPでは、組織幹部は意思決定や判断を行い、現場は各部門ごとにアクションカードに則り行動することが求められます。発災時のみならず、平常時からシミュレーションに基づいた役割分担などを想定しておくことが重要です。
BCPは現場対応そのものではなく、現場対応を管理し業務継続を図ることが目的であるため、BCPの訓練は非常時優先業務の選定、指揮命令系統の確立・維持、想定外の事態への対処を目的として行われます。
訓練をすることで、様々な効果や気付きを得ることができるでしょう。
1.BCPの浸透・欠陥の発見
職員が多くなればなるほどBCPに対する意識は薄れ、当事者意識もなくなっていきます。
繰り返し訓練を行うことで、BCPを浸透させることができます。また、BCPの欠陥も見えてくることでしょう。その気付きをもとにBCPを修正し、現場に沿ったものに変えていくことが大切です。
2.意思決定能力の向上
災害時は責任者の判断を待ってから対処するのでは、手遅れになってしまうこともあります。
訓練を重ねることで、自身で決断をすることを身に付けことができます。
また、責任者自身も災害時の混乱した状況下で、的確な指示が出せるのかを訓練することは非常に重要です。
3.実効性の検証
「BCPを作ったはいいが、訓練を実施してみたところ不備がたくさん生じた」ということは多々あります。1回で完璧なBCPを作ることは不可能です。「訓練→見直し」を繰り返し、現場に沿たものに変えていきましょう。
訓練での最大の課題は、訓練する側の人材が圧倒的に不足しているため、従来の災害訓練の域を出ないことです。
病院などでは、訓練時でも通常に稼働しているので、大規模での訓練はなかなか難しくなってきます。
訓練を意味あるものにする為には、訓練の目的を明確に伝えることです。具体的には、「災害時の混乱した状況下で迅速に意思決定を行う」「発災時の自分の役割、責任を理解する」といったように、それを理解しないまま実施しても、職員が得るものは少なくなります。訓練実施前に目的をよく説明し、職員に目的意識を持たせることが大切です。
普段から明確な目的をもって訓練していれば、いざというときにも臆することなく行動に移すことができるでしょう。